
庚申塔(練馬区寿福寺・春日神社)
前の早宮3丁目の庚申塔からほど近く、豊島園通り沿いの寿福寺近辺に3基の庚申塔があります。今日はその3つを紹介します。
この地域は、春日神社とその東側に真言宗豊山派最勝院寿福寺が隣接しているところで、春日神社に1基、寿福寺内に2基があります。
まず春日神社にある庚申塔です。

この庚申塔は春日神社の本殿の向かって左側(西側)に置かれています。写真を撮りに行ったときは、神社の方がちょうど掃除をされているところでした。
青面金剛像の庚申塔で、三眼六臂であることは分かるのですが、持ち物がはっきりしません。さらに下部にある三猿は存在はわかるのですが、近くで見るとかなり風化が進んでいることがわかります。

向かって右上には庚申のために造立された旨が記されており、その下には「宝永六己丑」「霜月吉日」と2行にわたって記載されています。

この庚申塔は1709(宝永 6)年建立の比較的江戸時代では初期のもののようです。
向かって左側には「武刕豊嶋上練馬海老ケ谷戸村」という文字が見え、上練馬村の中の小字海老ヶ谷戸の地域のもののようです。
続いて、この春日神社の東側に隣接して寿福寺があります。その墓地の入り口のところに一つ庚申塔があります。

これも青面金剛像の庚申塔です。こちらは、春日神社のものに比べるとはっきりとわかる庚申塔です。月日、二鳩も少し風化がありますが、存在が確認できます。また、踏みつけられている邪鬼は表情まではっきり分かります。

向かって右側には「宝永四丁亥天十一月吉日」という文字が記載されています。1707(宝永 4)年のもので、春日神社のものとほぼ同時期のもののようです。でも、この保存状態の違いはどうしてかと思ってしまいます。

続いて、本堂の左手奥にもう1つの庚申塔があります。

こちらもかなり彫りがはっきりした青面金剛像であることが分かります。踏みつけられている邪鬼にしても、三猿にしても顔の部分が丸になっているのが特徴的です。

でも、目の部分がまるになっているのが可愛い感じですね。
青面金剛像は三眼六臂で、この周辺の多くの庚申塔と同様に、左手に矛と矢、右手に法輪と弓をもっていますただ、正面の手は組んでいるわけではなく、左手に剣、右手に索をもっって索をもっています。
向かって右側には「延宝三卯年十月吉日」と記されており、1706(宝永 3)年のもののようで、前の二基の庚申塔と同時期にものです。また、向かって右側には「延宝三卯年十月吉日 武州豊嶋郡上練馬海老ケ谷戸村」という文字がどうにか読めます。

この3基は18世紀初頭のほぼ同時期に作成され、主体も同じ地域のようです。でも保存状態でこんなにも違うのだということを感じさせられました。
コメント
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カッコいい!興味をそそりますね(^m^)