
根津神社の庚申塔 [1](文京区根津1−28−9 根津神社)
根津神社には2つの稲荷神社の間に庚申塔がまとめて祀られています。
全部で6基の庚申塔が円形にまとめられれいました。掲示板によれば、「道の辻などに建てられたものが、明治以後、道路拡幅などのため、根津神社に納められたもの」だそうで、この近辺のものと思われます。
正面側にある3基は青面金剛神像庚申塔2基(1・6)と観音像庚申塔(2)です。
まずは説明版では(6)の板碑型、青面金剛神像庚申塔。六臂の青面金剛神で、上の左右の手に日・月をかかげています。最初宝輪かと思いましたが、手に日・月をかかげているのは初めて見たかも知れません。合掌している手以外は、右手に矢、左手に弓をもっています。そして邪鬼を踏みつけています。
下には、三猿が配置されています。向かって右側には「奉建立庚申」「武刕豊島郡駒込千駄木町施主」、左側には「寶永六 己丑 四月十九日」という文字が見えます。宝永 6(1709)年の江戸時代中期のもののようです。
続いて、正面の光背型、青面金剛神像庚申塔。

下に三猿が配置されていますが、その上に3つの紋が埋め込まれています。材質が異なっているようなので、後から加えたものでしょうか。
六臂の青面金剛神で、合掌しておらず、右手は上から宝輪、矢、羂索をもち、左手は上から矛、弓、蛇を持っています。蛇が頭をもたげているところがハッキリ見えるのは初めて見たかも知れません。
また、足下には三猿ではなく、中央に猿、両側に鶏が配置されています。三猿は台座に配置されていましたが、もともとこの組合せだったのでしょうか。
向かって左下には「武刕豊島郡江戸駒込村」と記されています。「江戸」と入っているのはあまり見たことがありませんでした。
向かって右下には「寛文八 戊申 歳十月十八日」と記されています。寛文 8(1668)年と江戸前期のものです。その割には風化が少なくてはっきりしている庚申塔だと思います。
そして、掲示板では(2)の3基目は上部が欠けてしまった観音像庚申塔です。聖観音像のようです。
欠けてしまっているので分かりませんが、左側に「待庚申供養」右側に「月吉日」と記され、年代不詳です。また、足下に小さな文字で施主の名前が12人刻まれているようです。ただ、全部は読めません。
また、2つ前の写真の向かって左下の文字の左側に台座となっている石柱に文字が見えます。ただ、その詳細はよく分かりません。
残りの3基は次にまとめます。
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