
遊行寺の残念な庚申塔
遊行寺宝物館の特別展「国宝 一遍聖絵」見た際に、遊行寺にも庚申塔があるというので探してみました。

この正門(総門)を入って右手に地蔵堂がみえて、その近くにあるとのことでした。ところが地蔵堂らしきものが移動中のようです。奥では墓地の販売が行われていました。

横にあった小屋を回ってみたら… なんと石造物が倒れています。

右側に立っていた2つの石造物の奥にあったのは1つめの庚申塔のようです。珍しい八臂の青面金剛神像の庚申塔のようです。前に1組は合掌をしており、もう1組が椀を抱えているかたちになっています。このような椀を抱えているものは初めて見たかもしれません。
左の上の手には鉾、下の手には矢のようにも見えますが先が3つに開いているので三叉戟にも見えます。右の上の手にあるものは先が多くな三画になっていますが、それが何かが分かりません。錫杖なのでしょうか。下の手は弓だと思われるのですが、手の上に月にもみえる丸いものが見えるので、宝輪の可能性もありますが、よく分からないですね。不思議です。
年代は「元禄十丁丑十二月十七日」とあります。元禄10(1697)年と江戸時代の比較的早い時期のもののようです。

もう1つの庚申塔は横になっていました。足下の台座だったと思われる石が割れているので、もしかしたら倒されたのかも知れません。

こちらも八臂の青面金剛神像の庚申塔のようです。先ほどのと違うのは、合掌している1組以外は外側に広がっているところでしょうか。持ち物については左手は上の2つが鉾と宝輪、下が弓のようです。ところが右手の3つは下が羂索のような巻いたものを持っているように見えますが、他の手も含めてよく分かりません。

上には、向かって右側から「奉納」「庚申」「供養」の文字が刻まれています。また、右下には「于時元禄拾三庚辰」とあるので、元禄13(1700)年のもので、先ほどの庚申塔とほぼ同時期のもののようです。

さらに下には鶏と猿が刻まれています。それぞれ鶏は二つが多いし、猿は三つがおおいのですが、1組というのも初めて見た気がします。
なぜ、このようになっていたのかは不明ですが、この日もかなり探してやっと見つけました。倒れたのをとりあえず移していただけであって欲しいと思います。
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