
秋津神社の青面金剛神像庚申塔(東村山市秋津町5-27)
JR武蔵野線の秋津駅の近くに秋津神社がありました。
この社の裏手に庚申塔があります。


立派な庚申塔お堂ができたようです。

庚申塔そのものは、笠付角柱型で下にしっかりとした台座のついた青面金剛神像の庚申塔です。

なお、笠のところの正面にこのような雲のような記号が刻まれています。

青面金剛神像は六臂で、合掌をしている手以外には、右は上から矛、矢、左は上から宝輪、弓をもっています。ただ、矛は先が少し広がっているのでそのように見えますが、その途中に刃のようなものの跡が見えるので、もしかしたら戈のようなものかも知れません。

上部には日雲、月雲も配置されています。

向かって右側には「奉修造庚申供養塔」と刻まれており、もとにあったものを修繕したのでしょうか。

向かって左側には「宝永七寅天二月吉祥日」と記されています。宝永 7(1710)年ですから、江戸中期のもののようです。


なお、青面金剛神像の下部には邪鬼が踏みつけられ、その台の下に二鶏と三猿が配置されています。そういえば、申年なので三猿もいろいろなところで注目されているようですね。それを機会に庚申塔のことがもっといろいろ分かると嬉しいです。なお、下には「武列多麻郡 向安松村」「施主 同行 十八人」と刻まれています。向安松村というのは分からないのですが、「上安松村」の地区が近いようなのでこの近辺のものが移動してきたのでしょう。

角柱の側面には、台座の部分と共通で蓮が刻まれているようです。他の地域の庚申塔にも蓮の台座のものはあるようですが、側面もその図柄なのは初めて見たかもしれません。
コメント
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旧名・南秋津不動というこの神社は、かつては一帯の名所として知られ、この神社の奥にある池の水を御神水として持ち帰る人が多くいたそうです。また入間郡と多摩郡の境に当るため、相当な規模の賭場も立ちました。
「向安松」という地名は、今の西武線秋津駅へ向かう、ちょっとした商店街のようになった辺りを、そう呼ぶのですが、今はもう知る人もいない地名ですな。